雨のち晴れ
さっきまで空の色は優しい青色だったような気がしたのに、気づけば重たい雲で世界は覆われていて驚いた。雨で視界は霞み切っているのに雷の光は容赦ない。
つい眼が眩んでカーテンを閉めれば一面に青空が広がっている。
全くカーテン選びのセンスがあるのかないのか。
我が家のカーテンはほんの少し長さが足りていないせいで日中は常に外の光が微かに漏れている。深夜1時にやり始めた作業がひと段落ついて顔を上げるとカーテンの隙間から一筋の光が漏れていて絶望する、ということが頻繁にある。「一筋の光」なんて表現を用いるとなんだか前向きな印象を与えてしまいかねないが、勿論そんなはずはなく、この部屋に曳かれる光など「明日が来てしまった」という絶望を私に押し付けてくるものでしかない。私の中で光と絶望はイコールでありそこにポジティブな要素など存在しない。この部屋であたたかい陽の光に包まれながら死ぬくらいならネオン街で見えない星に見守られながら心臓をブチ抜かれたほうが幾分まし、とすら思える。
うん、画像検索をして確信した。
今の時期は日の出が早すぎて精神的に不安定になる。太陽はもっと怠けていいと思う。貴方だってそう思うでしょう?
そんなことを想いながらキーボードをカタカタと打ち込んでいると外から何の音も聴こえなくなった。雨は止んだのだろうか?まあそんなことはどうだっていいんだよ、どちらにしてもこの部屋では快晴しかありえないのだから。
唯一、雨に流された約束だけは、胸につっかかっているけれども。どうせなら見えなくなるほど遠くに流れてしまえばいいのにね。